週間マーケットウォッチ(8/29-9/2)

各資産の週次の騰落は以下の通りです。

今週は長短金利が一段高、ジャクソンホールでのパウエル議長のタカ派発言が市場の楽観的観測を冷やした形となり、2年債利回りは6月の高値水準を超えおよそ15年ぶりの高値、長期金利も上昇しました。株式では金利感応度の高い小型・グロース株が特に弱く、ロックダウンの影響も相まって中国ハイテク市場が強く売られました。

為替は金利の影響からドルが強く、ドルインデックスも6月の高値を更新し2002年6月来水準まで上昇しました。ドル円は140円の大台を突破し約24年ぶりの高値圏、クロス円はプラスに推移するも、ドルストレートでは弱く推移しました。

景気後退懸念が強まったことで先物価格は全体的に下落し、原油とともに産業用金属が強く売られました。しかし週末の引けかけてロシアの欧州向けガスパイプライン「ノルドストリーム」が技術的な課題があるとして予定通りに復旧せず、稼働再開の延期が発表されるというニュースが飛び込みました。

今週発表されたISM製造業景況指数や雇用統計における雇用者数は予想を上回り経済の底堅さを示すものでした。失業率は前回の3.5%から3.7%と0.2%増加したものの、労働参加率の上昇が背景にあることから金融引き締めによる実態経済の変化が少しずつ現れてきているのだと思います。労働参加率が上がれば賃金の低下が見込まれますから、これは良い変化だと受け止めます。

一方で欧州は厳しい状況が続きます。先駆けて発表された8月の消費者物価指数(HICP)は前年同月比9.1%と、前回値8.9%を上回りました。木曜のECB政策金利は0.75%の利上げが確実視されていますが、エネルギー供給問題が特に深刻化を極めておりますし、欧州の南北の経済格差もありますから、米国以上に経済回復の舵取りが複雑化・長期化するのではないかと考えます。

金融引き締めによってスタグフレーションに陥っても、インフレが低下し2%に回帰するまでには年単位での時間を要すると思います。やがて買い場となった時に、一体何を買えばいいのか?を妄想してみました。というのも現在の欧州の落ち込みは米国よりもさらに長期化する可能性があるのではないかと考えたからです。これまで長期投資におけるβは広く世界の先進国に分散していることからMSCIコクサイを好んで組み入れることが多かったのですが、米国と欧州に経済回復の格差があるとしたら?と考え、MSCIコクサイとS&P500のパフォーマンスを①リーマンショック後 ②コロナショック後 で比較してみました。※ローソク足がMSCIコクサイ、オレンジがS&P500です。

①リーマンショック後

②コロナショック後

☆MSCIコクサイ国別内訳

いずれもS&P500のパフォーマンスに軍配が上がりました。現在のMSCIコクサイの銘柄数は625ですからS&Pよりは20%ほど銘柄数が多いですし、リスク分散を考えるとMSCIコクサイは優秀な部分もあります。今時点では結論が出ませんが、色々な指数を比較し、やがて来る買い場に想像を巡らせるのもたまには良いのではないかと思いました。

但し、長期投資を学びながらよく分かったのは「何を買うか?」よりも「どれだけ買うか?」が長期投資のパフォーマンスに大きく寄与するということです。S&P500とMSCIコクサイのパフォーマンスの差はあれど、下げ相場で強気にしていれば、どのみち大きく資産を失ってしまいます。最も大切なことは相場見通しを誤らないことであり、そのためにサロンで日々学び考え続けなければならないのだと、長期のパフォーマンスの比較をしながら再確認したのでした。

来週ですが、経済指標においては豪・欧の政策金利発表もありますし、ラガルド総裁やパウエル議長の発言がさらにタカ色を強めるか注視します。また20年からの上げ相場では、レイバーデー明けからの9月は調整の動きが入りやすい印象でした。火曜からは少しマーケットの雰囲気が変わるかもしれないと考えており、9/13のCPIも睨んでボラティリティの大きい展開になるのでは?とこれまた妄想しています。

<来週の予定>

9/5(月)
米休場
中 10:45 8月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI) <前回値:55.5 予想:54>
OPEC+

9/6(火)
豪 13:30 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表 <前回値:1.85% 予想:2.35%>
米 23:00 8月ISM非製造業景況指数(総合) <前回値:56.7 予想:55.2>

9/7(水)
ポーランド中銀、政策金利 <前回値:6.50% 予想:6.75%>
豪 10:30 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前期比) <前回値:0.8% 予想:1.1%>
豪 10:30 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比) <前回値:3.3% 予想:3.5%>
独 15:00 7月鉱工業生産(前月比) <前回値:0.4% 予想:-0.6%>
独 15:00 7月鉱工業生産(前年同月比) <前回値:-0.5% 予想:-2.1%>
加 23:00 カナダ銀行 政策金利 <前回値:2.50% 予想:3.3%>
米 3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

9/8(木)
欧 21:15 欧州中央銀行(ECB)政策金利 <前回値:0.5% 予想:1.25%>
米 21:30 前週分新規失業保険申請件数 <前回値:23.2万件 予想:24.0万件>
欧 21:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
米 22:10 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言

9/9(金)
中 10:30 8月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) <前回値:2.7% 予想:2.8%>
中 10:30 8月生産者物価指数(PPI)(前年同月比) <前回値:4.2% 予想:3.2%>
ブラジル 21:00 8月IBGE消費者物価指数(IPCA)(前年同月比) <前回値:10.07% 予想:8.74%>
加 21:30 8月新規雇用者数 <前回値:-3.06万人 予想:1.50万人>
加 21:30 8月失業率 <前回値:4.9% 予想:5.0%>
香港・中・韓国 休場

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この記事を書いた人

山形在住のサラリーマン&兼業主婦。18歳の娘と夫、両親と5人3世代同居してます。2019年から老後2,000万問題を受け、じぶん年金形成のため金融リテラシー向上の勉強を開始。インデックス・個別株を中心とした長期投資を実践しながら、短期トレードはCFD・FXを勉強中です。

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