各資産の週次の騰落は以下の通りです。



株式は長短金利の上昇により米国・ハイテクが売り込まれる展開、商品ではインフレ高騰が強く意識され、エネルギー・素材・穀物が上昇となりました。為替はリスク選好度の低下や、エネルギー高騰の流れを受け仮想通貨と欧州通貨が弱く推移し、ユーロドルは再びパリティ割れとなりました。
今週ジャクソンホールでのパウエル議長の発言は下記の概要となりました。
・インフレ抑制のために利上げを継続し、金利を高い水準でしばらく維持する可能性が高い
・9月のFOMC会議では「異例に大幅な」利上げをもう一度実施することが適切となる可能性もある
・過去の記録は早急すぎる政策緩和を強く戒めている
・金利上昇と成長減速、労働市場環境の軟化はインフレを鈍化させるが、家計と企業に痛みをもたらすことにもなる
つまりは利上げによって景気後退しても、すぐに金融緩和に転じるといった見方をけん制したということになります。
注目されたPCEデフレーターは前年同月比6.3%と前回値(6.8%)、予想(6.4%)を下回りましたがパウエル議長はこれを「歓迎すべきこと」としつつも、FOMCとしては単月の改善では十分と言える状況から程遠い、とも述べています。
FOMCメンバーの発言もタカ色が強まりました。投票権のあるメンバーの中でも最もハト派色の強いブラード総裁は「利上げ局面は長引く必要があるかもしれない」と発言し、中立派に位置するジョージ総裁は「4%以上の金利を維持することは問題外ではない」とターミナルレート(利上げ金利の目標水準)引き上げも暗に示唆しました。
FOMCメンバーが一体となりタカ色を強め、ジャクソンホールではパウエル議長が楽観的な市場の見立てに対し丁寧にけん制をし、金融政策の方向性を誤解無いように念押ししたという印象でした。
これを受けダウはその後1000ドル下落し、FEDウォッチの中央値では来年7月の利下げ目途が引き下がった形となっています。

マーケットは利上げ停止後の利下げ見通しが否定され楽観観測が後退しました。そして景気後退が起こっても、インフレ率が目標に達し落ち着きを見せるまでは手を抜かずに粛々とタカ派を貫くでしょうし、そう考えると長い戦いになる覚悟が必要で最低でも年内に見通しが変わるような政策変換はなさそうだと思っています。
来週はこれまでの楽観観測に修正が入り株は売られ、短期金利が上昇し長短金利差はマイナスを深掘ると思います。米指標では消費者信頼感指数、ISM、雇用統計と大型の経済指標が示されますがさほど強い予想は示されていません。むしろ月末やレイバーデーを控え、株は売り優勢ではないかなと考えています。
また欧州では先駆けて8月の物価指数が示されますがいずれも高い予想、ECBの0.75%利上げ観測は強まるもののスタグフレーションの深刻化が進むと考えられ、ユーロは弱く 安値を更新する可能性もあると考えています。
<来週の予定>
8/29(月)
豪 10:30 7月小売売上高(前月比) <前回値:0.2% 予想:0.3%>
8/30(火)
欧 18:00 8月経済信頼感 <前回値:99 予想:98>
独 21:00 8月消費者物価指数(CPI、速報値)(前月比) <前回値:0.9% 予想:0.3%>
独 21:00 8月消費者物価指数(CPI、速報値)(前年同月比) <前回値:7.5% 予想:7.8%>
米 22:00 6月ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比) <前回値:20.5% 予想:19.2%>
米 23:00 8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) <前回値:95.7 予想:97.4>
8/31(水) 月末
日 8:50 7月鉱工業生産・速報値(前月比) <前回値:9.2% 予想:-0.5%>
日 8:50 7月鉱工業生産・速報値(前年同月比) <前回値:-2.8% 予想:-2.4%>
中 10:30 8月製造業購買担当者景気指数(PMI) <前回値:49.0 予想:49.3>
独 16:55 8月失業者数(前月比) <前回値:4.80万人 (4.70万人) 予想:2.70万人>
独 16:55 8月失業率 <前回値:5.4% 予想:5.5%>
欧 18:00 8月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比) <前回値:8.9% 予想:9.0%>
欧 18:00 8月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比) <前回値:4.0% 予想:4.1%>
米 20:00 MBA住宅ローン申請指数(前週比) <前回値:-1.2% 予想:->
米 21:15 8月ADP雇用統計(前月比) <前回値:12.8万人 予想:30.5万人>
9/1(木)
中 10:45 8月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) <前回値:50.4 予想:5010.0%>
欧 18:00 7月失業率 <前回値:6.6% 予想:6.6%>
米 21:30 前週分新規失業保険申請件数 <前回値:24.3万件 予想:25.0万件>
米 23:00 8月ISM製造業景況指数 <前回値:52.8 予想:52>
9/2(金)
欧 18:00 7月卸売物価指数(PPI)(前月比) <前回値:1.1% 予想:2.5%>
欧 18:00 7月卸売物価指数(PPI)(前年同月比) <前回値:35.8% 予想:35.8%>
米 21:30 8月非農業部門雇用者数変化(前月比) <前回値:52.8万人 予想:29.0万人>
米 21:30 8月失業率 <前回値:3.5% 予想:3.5%>
米 21:30 8月平均時給(前月比) <前回値:0.5% 予想:0.4%>
米 21:30 8月平均時給(前年同月比) <前回値:5.2% 予想:5.2%>
米 23:00 7月製造業新規受注(前月比) <前回値:2.0% 予想:0.2%>
9/5(月) 米・カナダ休場(レイバーデー)
コメント