今週は半導体/EVなどのハイテクが主導、ナスダックやS&P500は最高値更新しました。今週発表されたNVIDIAの決算は売上高・純利益ともに過去最高を更新、これを受けドイツテックや半導体セクターの多い台湾市場が強含みました。米長期金利は1.6を挟んで一進一退の動き、週末にかけては欧州・アジアを中心としてコロナ感染拡大やドル高が重しとなり不安定に推移しました。

為替はドル高。長期金利が1.65近辺まで上昇したことや米10月の小売売上高が予想を上回ったことも材料となり、ドルインデックスは一時96ポイントをマークし昨年7月来の高値水準まで上昇しました。一方で欧州での感染拡大やECBラガルド総裁のハト派発言が嫌気されユーロドルは週足200MAを明確に下方ブレイク、20年6月水準まで下落しました。
トルコリラは10消費者物価指数(CPI)が前年同月比で19.9%と驚異的な値を示すも、政策決定会合で3回目の利下げを決定したことで12%強の下落となりました。

商品は天然ガスが急騰。ドイツがロシアから天然ガスを運ぶパイプラインの承認手続きを一時停止したことで供給懸念が浮上しました。一方原油は下落。バイデン大統領が「ガソリン価格高騰抑制にあらゆる方策を講じる」と発言したほか各国に対し備蓄在庫の放出協調を要請したことなどから節目の80ドルを割り込み全体的に調整色が強まりました。金は1800ドル後半を行きつ戻りつの展開で方向感を失った週となりました。

来週の注目指標は下記の通りです。
11/23 (火) 独製造業PMI・欧サービス部門PMI・米製造業/非製造業PMI
11/24 (水) 米PCEコアデフレーター・FOMC議事要旨公開
今週は5年期待インフレ率3.17%と集計開始来の最高値をマークしました。
欧州のインフレ率も英CPIは4.2%と予想を上回り10年ぶりの高い伸び率を示し、ユーロ圏HICPは4.1%、カナダCPIも4.7%といずれも前回値と同等以上を記録しています。
実際の指数の上昇を見て、金融業界・要人のインフレの発言もかなり増加してきています。
ECBラガルド総裁はインフレを「非常に深刻」に受け止めるとはしながらも来年の利上げは想定していないとハト派発言を行いました。来月の利上げがコンセンサスになりつつある英中銀とは対比の様相となり、ユーロポンドはコロナショック直後の水準まで下落しています。
個人的に関心が高かったのはFOMCメンバーであるシカゴ地区連銀総裁のエバンズ氏の発言で、「テーパリングを開始したFRBの次のステップは、利上げに向けたフォワードガイダンスの調整になる」というものでした。
フォワードガイダンスとは、声明等を通じて政策の期間や条件を明言することで、政策の効果を浸透させようとする「先取りの根回し」のようなものです。
来年半ばのテーパリング終了までの間にサプライチェーン問題が落ち着くのを祈る、その間の調整手段としてはフォワードガイダンスをタカ寄りにすること・・・というシナリオが見え隠れします。
例えばクラリダFRB副議長はテーパリングのペース加速を巡って討議することが「極めて適切となる可能性がある」という認識を示唆しました。これもひとつのフォワードガイダンスの伏線ではないか?と想像は膨らみます。
またクラリダ副議長は経済が「非常に力強く推移している」と語っていますが、インフレが辛うじて受容されているのもひとえに需要の強さに依るところがあるわけですから、これら需要が「継続的に」強いかどうか来週の各国のPMIは注視だと思っています。
コロナ感染拡大の視点においては、再度感染拡大に陥っている国が出てきており、欧州ではドイツ、アジアではベトナム・韓国・シンガポールに増加トレンドが認められます。
<アジア累計感染者推移>

<欧州累計感染者推移>

特にシンガポールや韓国・ドイツはワクチン接種が比較的進んでいる国々であるにも関わらず感染が拡大しており、この要因として公共の場での接触制限を大幅に緩和したことや気温の低下に伴い屋内で過ごす時間が増加したことなども挙げられています。
<接種状況>

そうすると他国も同様に波及する可能性を否めませんから、感染状況は未だ変動リスク要因として最重要な着目点として見ていきたいと思います。
その他FRB議長の任命問題や恒大のデフォルト問題、米債務上限問題など、懸念材料が多いなという印象です。特にFRB議長の任命に関してはヘッドラインに右往左往する局面もあるかもしれません。また来週は25日が感謝祭で、休暇前のポジション整理などもあるでしょうから、頭の重い展開になるのではないかと考えています。
これらを整理すると今週も長期投資においてポートフォリオを変更するポジティブな材料はまだ見えていないと考え、様子見を貫きたいと思います。
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