10/25-10/29 週の振り返り

今週は長期金利の急騰は一服、企業決算もピークを迎える中ハイテクを中心にリスク選好度が高まり 米国3指数は最高値を更新しました。対しアジアを中心に新興国はドル高の影響もあり全体的に弱含み、2極化の様相となりました。中国市場は中国恒大がドル建て社債の利払いを実施しましたが事業規模を大幅縮小との報道が悪材料となったこともあり4%超の下落となりました。

為替はまちまち。リスク選好度の高いオセアニア通貨はCPIの高止まりから利上げ前倒しも意識され、ぎくしゃくしながらも週ではプラス圏に推移しました。対して欧州通貨は反落、週末に発表されたHICPコア指数は前年同月比4.1%と前回値(3.4%)より大きく上振れるも、四半期GDPはほぼ横ばいに推移したことから投資家心理が悪化。ユーロドル・ポンドルともに10月の緩やかな上昇トレンドを大きく下方ブレイクしました。(騰落率は一番↓に追加しています・・・ごめんなさい)

商品は月末を控え手じまいの動きが強まりました。特に原油は乱高下、イランの核協議が11月中にも再開との報道からイラン産原油の輸出再開懸念や、11/4に予定されるOPECプラスの閣僚級会合を控え警戒ムードが高まりました。

来週の注目指標は下記の通りです。

11/1 (月) 中国財新製造業PMI、米ISM製造業景況指数
11/2 (火) 豪RBA政策金利発表、
11/3 (水) 中国財新サービス業PMI、米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、週間原油在庫、FOMC パウエル議長声明
11/4 (木) 英BOE政策金利発表、米週の新規失業保険申請、OPECプラス閣僚級会合
11/5 (金) 米雇用統計

今週発表された米PCEコアデフレーターは前年同月比3.6%と前回値から横ばいの結果となりました。しかしこれは9月の結果であり、先行的にはユーロ圏10月のHICP値(4.1%)のほうが現在の様相を示していると思われます。

<米 PCEコアデフレーター>

<ユーロ圏HICP>

また債券市場ではイールドカーブ(利回り曲線)がフラット化(フラット化は景気後退のシグナルとも言われる)してきており、債券市場が警戒感を高めている様子が見て取れます。1年前(黄)、3か月前(赤)、今週末(青)のカーブの形を比較すると、特に短期債の金利が上昇し、20年債と30年債の利回りが逆転するという現象もみられています。

債券市場はサプライチェーンを要因とした経済の減速や、インフレ対策としての早期利上げを織り込み始めていると思います。そして後手に回っているFRBやECBの対応がスタグフレーションに発展するのではという懸念も高まっているように感じます。例えば今週カナダの中銀はテーパリングの中止を突然発表しましたし、オーストラリア中銀は9月からテーパリングを開始していますが、今週発表されたCPIが3%と高止まったことから、24年に予定されている利上げ前倒し観測が強まり、3年債(しかもイールドカーブコントロール対象年限)が、半年前比で1%も上昇するといった状況に陥っています。

<オーストラリアCPI>

<オーストラリアイールドカーブ>

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-28/R1NNGIT1UM0X01

では本当にFRBは後手に回っているのでしょうか。例えば今週の週の新規失業保険件数は5週連続で低下しています。雇用の環境は改善が見られていることは明らかなようです。

もう少し長い視点で失業率の推移をみると前回の失業率は4.8%と、2016年水準と同等であることがわかります。2016年といえばリーマンショックの量的緩和とテーパリングを経て利上げを始めた頃です。現在の4.8%の失業率だけ見れば、過去において利上げを決断できるレベルであるとも言えます。

また企業決算は、第2四半期のイケイケムードとは一線を画し、インフレ・サプライチェーンの問題と直結する業種、特に製造業に対して厳しいものとなりました。ダメ決算だった企業はアップル・アマゾン・ヴァーレ・キャタピラー・3Mなど枚挙にいとまがないものの、ダウ・S&Pともに史上最高値を更新しています。企業価値が過大評価されている背景は、やはりカネ余りに他ならないのではないでしょうか。

こうした要素を並べてみると、FOMCでのパウエル議長の発言がどの程度タカ派に寄るのかは注目だと思っています。そしてその後の雇用統計も同様です。債券市場と株式市場での温度差が、どのタイミングで擦り合っていくのか、そしてそのヒントがFOMCに隠されていないかを見ていきたいと思います。

長期投資においては押し目を逃した感がありますが、上記の要素を並べてみると実体経済の様相と市場の動きとのちぐはぐ感が払しょくできていませんし、決算とマッチしない指数の上昇に今から乗っかることにもいささか抵抗があります。まずは来週のFOMCを見るに留め、FOMC後の期待インフレ率・商品価格・長期金利を特に注視したいと思います。

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この記事を書いた人

山形在住のサラリーマン&兼業主婦。18歳の娘と夫、両親と5人3世代同居してます。2019年から老後2,000万問題を受け、じぶん年金形成のため金融リテラシー向上の勉強を開始。インデックス・個別株を中心とした長期投資を実践しながら、短期トレードはCFD・FXを勉強中です。

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