今週は決算期待根強く、押し目確認の安心感も相まって買い戻しが進み S&P500、ダウは堅調に推移し最高値を更新しました。アジア市場は恒大集団が今週期限のドル建て社債の利払いを実施したとの報道を受け投資家心理が上向き、中国・香港市場が強含みました。ブラジルボぺスパ指数はボルソナル大統領の側近の離職が相次いだことで政治不安強まり6月からの下落トレンドに拍車をかける展開となりました。

為替 週初はリスク選好色強くオセアニア通貨を中心に強含んだものの、金利や期待インフレ率の上昇により勢いを削がれる展開、さらに週末のパウエル議長のタカ派発言でリスクオフとなりクロス円が弱含みました。トルコリラは各国が緩和縮小を進める中 利下げを発表し大きく売られました。

商品は引き続き原油が堅調、週間在庫統計は市場予想に反して減少、クッシング原油在庫は3年ぶりの低水準、来週発表分も減るとの見込みから上昇しました。一方、米鉱工業生産が市場予想を下回りマイナスとなったことで銅やニッケルなどの非鉄金属は総じて弱含み、パラジウムや白金などの貴金属も連れ安となりました。金は期待インフレ率の上昇により一時は1800ドルを回復し約1ヶ月半ぶりの高値をつけたもののパウエル議長発言により上値重く週を終えました。

来週の注目指標は下記の通りです。
10/25 (月) FB決算
10/26 (火) 米ケース・シラー米住宅価格指数、米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) 3M、AMD、GOOGLE、マイクロソフト決算
10/27 (水) コカ・コーラ、ボーイング、GM決算
10/28 (木) 米 7-9月期GDP、米 週の新規失業保険申請件数、キャタピラー、メルク、VALE、アップル、アマゾン決算
10/29 (金) 欧 消費者物価指数、欧 7-9月期GDP、米PCEコアデフレーター、シェブロン、エクソンモービル決算
10年後の期待インフレ率(BEI)は、今週2.64%と2012年9月以来の高水準、長期金利も一時1.7%の大台をタッチしました。通常長期金利の上昇は配当性向の低いハイテク銘柄には不利に働くため、今年3月のように急激な金利の上昇はナスダック指数を押し下げます。
しかし今週は金利上昇局面においてもナスダックは堅調に推移しており、セオリー通りの資産の動きに至りませんでした。特に決算が好調であったテスラが指数をけん引する形となり、部品点数の少ないEVがサプライチェーンの問題に対し耐性があることが明暗を分けたかと読み取りました。
またパウエル議長は討論会で「テーパリングを開始し、2022年半ばまでに完了の見通し」「インフレは目標をはるかに上回っている」「FRBの手段は供給の制約に関してあまり効果が無い」「持続的なインフレが見られる場合は手段を行使」など、FOMCの場を待たずにタカ派発言を行いました。FRBの命題であるインフレ調整が目論見通りに進まず苦戦していることを吐露しているとも受け取られる発言に、わたしは非常に驚きましたが、それ以上に株式市場が一時的な反応に終始したことも驚きとなりました。
株式市場は半ばバブルとも言える楽観さだと感じます。ビットコインは最高値更新、投機的志向の強い銀も4か月ぶりに日足200日線を強く上抜け、期待インフレ率が10年ぶりの高値水準に達しても、長期金利が1.7%に達しても、ドルが弱まっても株式は上昇していくというのが今週の挙動でした。これが金融緩和の作用なのだとしたらわたしは金融相場を過小評価していたのかもしれないと思うほどでした。
カネ余りとモノ不足・労働力不足はインフレを呼びます。原油の2か月前の価格は61ドル、今週は84.5ドルに達し2か月間で36%も上昇しています。消費のサイクルに至るまで雪だるま式に価格は上がるでしょうから、やがて家計や企業業績への強い圧迫材料となるはずです。特に日本はエネルギー輸入依存度が高いため不利でしょう。
インフレを抑えるための利上げはテーパリング中はできませんし、パウエル議長も「テーパリングは開始するべきだが、利上げの時期ではない」「インフレが弱まるまでにどれほど時間がかかるかわからない」と発言しています。このまま「需要が衰えることなく」サプライチェーンの問題が早期に解決することがベストシナリオですが、それは誰にもわからずFRBも打ち手に欠けるところなのではないでしょうか。
そうなると、長期投資のポートフォリオで今リスクを取ることは控えたいという結論に至ります。インフレのヘッジとしてポートフォリオに取り込んでいるコモディティインデックスは数%のパフォーマンスを上げヘッジの役割を果たしていますし、30%残している株式も上昇局面ではポートフォリオ全体に緩やかに寄与できています。
私の長期投資の取り崩しは10年後の予定です。10年前の東日本大震災がついこの間のように感じている中、これからの10年はあっという間かもしれないと常々思います。若い方々と違って10年の間に大きな失敗をしてしまうと取り返せないかもしれないということもあり、今週も現在の弱気のポートフォリオはまずは継続という判断に至りました。特にパウエル議長の発言影響は来週顕著に表れるかもしれませんので注視と思っています。
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