今週は全体的に投資家心理が下向き、月末・四半期末ということもあり手じまいの動き強まる中、恒大債務問題は不透明さを抱えつつも中国市場は反発、上海総合指数は7月末からの押し目トレンドを形成しました。米長期金利は8月のレジスタンスを上方ブレイク、金利感応度の高いナスダックは半導体セクターを中心に大幅安となり、台湾・韓国市場も連れ安となりました。ドイツの連邦議会選挙、国内の自民党総裁選など、政治の局面を通過したドイツ・日経も材料出し尽くしとなり下落しました。

為替は長期金利の上昇とともにドル高が進行、ドルインデックスは約1年ぶりの高値水準まで上昇しました。特に欧州通貨は対ドルで年初来安値、ドル円も一時112円をマークし、コロナショック直前の水準まで上昇、全体的にクロス円が優位となりました。一方原油の上昇と相まってカナダドル円が強含み、石炭需要が高まる憶測から豪ドルも比較的強く推移しました。

商品はエネルギー資源が続伸、天然ガスは供給のひっ迫感高まり年初来高値、原油は週の在庫増で一時弱まるも中国が国内エネルギー確保のために原油を始めとするエネルギー製品の買い付けを増やすとの方針が伝わったことや、北海ブレントが約3年ぶりの高値を記録したことも材料となり堅調に推移しました。

来週の注目指標は下記の通りです。
10/4 (月) OPECプラス閣僚級会合
10/5 (火) 米 ISM非製造業景況指数
10/6 (水) ADP雇用統計
10/7 (木) 米 週の新規失業保険申請件数
10/8 (金) 米 雇用統計
今週発表されたPCEコアデフレーターは前年同月比3.6%と予想通りであったものの、前回と同等水準に高止まる結果でした。パウエル議長はインフレは自律的に落ち着くであろうという見立てを維持しつつも、サプライチェーンの問題が改善していないことを「苛立たしい」と表現し、来年も状況は続きインフレも予想以上長期間にわたって高止まりする可能性があるとしました。
ここでインフレに繋がる懸念要因を3点考察したいと思います。
- 中国の電力不足が招く製造業の供給の遅れ
中国は環境問題の高まりもあり内需比率の高かった石炭などの鉱山の閉鎖を進めたものの、インドネシアの豪雨やオーストラリアとの輸入停止により需要が満たされていない状況が続いています。これにより電力の供給が不足し計画停電が常態化、結果 生産能力が高まらずサプライチェーンの目詰まりがさらに悪化し製品単価の上昇を引き起こす可能性が考えられます。
今週発表された中国製造業PMIは49.6とコロナショック以来初の50を切りました。またシティは来年中国の経済成長率予想を5.5%から4.9%へ引き下げており見通しは芳しくありません。世界の工場と言われる中国の製造指標には警戒感を強めています。
- 地下資源の高騰
天然ガスや原油は北半球が冬に向かうことや、ハリケーンでの打撃・設備老朽化や価格競争により採掘企業が一定量淘汰されてしまったなどの複合要因により価格上昇圧力が高まっています。これらは原油・石油を原料とした素材価格の高騰とも直結し、製品単価を押し上げます。 - 労働力不足による賃金の上昇とサプライチェーン目詰まりの進行
今週発表された週の新規失業保険申請件数は36.2万人と3週連続での上昇となりました。追加失業給付は9月で打ち切られるものの、未だ労働力の戻りは大幅な改善が見られていません。また新興国は感染抑制が相対的に遅れていることもあり、製造業は供給不足に加え上記素材単価の上昇・労働力の取り合いによる賃金上昇などが製造コストをさらに押し上げることも想定されます。

上記のように、ヒト・モノの両側面で流動性が低下したり、エネルギー価格そのものが高騰するといった実体経済の回復を伴わないインフレ圧力が垣間見えていると思います。
これらリスクを勘案するとFRBは金融政策の余地を残すために、テーパリングは早期に終了させるでしょうし、もっと悲観して考えれば業績の回復に伴う利上げ(良い利上げ)の前にインフレを抑えるための利上げ(悪い利上げ)もゼロではないかもしれません。早期利上げ観測は強まると思いますし、それを肯定するだけの強い財政政策や良好な企業決算が期待されるところでしょう。いずれにせよ素材価格やサプライチェーンの問題が長期化することを勘案し関連ニュースや企業決算には注視していきたいと思います。
長期投資においては、押し目は買いと判断しMSCIコクサイを5%積み増しました。
現在のポートフォリオはMSCIコクサイ55%、JPM10%、債券30%、現金5%です。残りの5%は四半期決算を確認して判断したいところです。上記サプライチェーンやインフレの問題が重しとなってくるかも勘案し慎重に考えたいと思います。
短期トレードについては引き続き金利睨みだと思います。ダウが下髭を伸ばし日足200MAに到達したこともあり、ここを押し目とするのか見極めたいところです。為替は引き続きドル高目線で、安値を更新している欧州通貨はここから掘り下げるようであれば乗っていきたいと思ってます。但し国慶節で商い薄となることや、雇用統計を控えフラフラすることも想定し、出来高が伴っているかには注意したいと思います。OPECプラスが予定されているため原油にも動きがでるものと思われます。原油とカナダドル円もトレード対象に挙げておきたいと思います。
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