今週の株式は全体的に軟調な動き、対して日本を含むアジア市場が概ね堅調に推移しました。日経は首相交代の期待で4月以来5か月ぶりに3万円を突破、最高値更新には至らずも強い伸びを示し、中国は上海総合指数が2月以来7か月ぶりの高値、米中首相の電話会談を受け対立リスクが後退したことや中国の景気見通し改善も好感され続伸しました。
対して欧米指数は弱含み、8月の雇用統計が予想を大きく下回ったことも市場心理を冷やし、S&P500は2月以降で初めて5営業日続落となりました。ナスダックはアップルが米地裁からアプリ課金ルールの緩和命令を出されたことで売られ、9月安値を更新し週を終えました。

為替は方向感に欠く展開、リスク選好度の後退によりオセアニア通貨が特に弱く推移しました。ユーロはECB理事会にてパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の小幅縮小が発表されるも波乱なく、1.18が支持線となり小動きに留まりました。

商品は銅やニッケルは堅調に推移、他方貴金属は弱含みました。原油はハリケーン「アイダ」により供給懸念が下支えしたものの、中国備蓄の放出計画の発表や、原油在庫量の減少が予想を下回ったことも圧迫となり、68ドルと70ドルのレンジに終始しました。
ビットコインは中米エルサルバドルで世界発の法定通貨化されるも技術的問題によりアクセスが一時停止、一時15%超の暴落となりました。

先週発表された雇用統計は予想を大きく下回りましたが、一方今週発表された雇用動態調査(JOLTS)は統計開始以降で最高を記録、週の新規失業保険申請件数も31万人とコロナショック以降で最低の伸びとなりました。

雇用需要は高いもののデルタ株の感染拡大もあり労働力の供給は十分ではなく、時給の上昇に繋がりインフレ懸念が再燃するといった構図を想像させます。今週発表された指標の強い数字に対し、国債入札が堅調だったこと・株式の上値が重かったことなど、資金が国債の方に動いたことがこれらを示唆していると考えています。
工業・産業の側面では素材や半導体不足は年内の回復すら不透明とささやかれ、自動車産業のみならず家電などのエレクトロニクス市場まで影響が拡大している状況です。今週発表された中国の8月の新車販売台数は前年同月比17.8%減と、モノやヒトの不足が経済回復の重しになってきていることも推察されます。
一方でテーパリング開始の警戒感も高まっています。9月のFOMCで合意を目指し11月には開始するといった観測報道もあり、FOMCまでの約2週間は楽観が後退するとみています。
以上により視点は再びインフレに集まり、テーパリングを肯定する材料を経済指標の中に見出せるか目を凝らす週になると思います。
来週の注目指標は下記の通りです。
9/14 (火) 日 鉱工業生産、米 消費者物価指数(CPI)
9/15 (水) 中 小売売上高、鉱工業生産
9/16 (木) 米 小売売上高、週の新規失業保険申請件数
9/17 (金) 欧 消費者物価指数(HICP)
期待インフレ率はここ2か月ほど2.3周辺に留まり特に動きはありません。

消費者物価指数は、7月から4%を超えており、今回は4.2%と前月より0.1%小さめの予想となっています。これを大きく上回ってくるか、そして金利がどう動いてくるかに注目とみています。
↓コアCPIの推移です。
https://www.investing.com/economic-calendar/core-cpi-736
中国市場については、上海を中心に反発が見られており、先の米中対立の緩和期待や北京証券取引所の開設、また新作ゲーム承認 完全停止の可能性後退など、当局側の強硬姿勢が多少緩んだこともあり雰囲気は改善したように感じます。しかし中国恒大の破綻を当局が救済するかどうかも注目されており、ヘッドライン次第では構図が一変することもあるかなと考えています。
同様に国内指数においても、現在の強い上昇は首相交代までの期待感での買いの可能性もあり、持続的かどうかというところは懐疑的です。バリューという材料で日経が米指数をアウトパフォームし続けるかというと、同じくバリューであるダウが上値重い中そのシナリオも矛盾する気がします。よって長期投資の側面では国内株式・新興国いずれも消極的です。
短期トレードにおいては、為替はドルに明確なトレンドを見いだせませんし、金や原油もレンジに終始しているため、難しそうと捉えています。株はS&Pや日経が週末にかけて長い陰線を形成しており週明けの様子を見なければ手を出せないかなと考えています。さらに深く下げていく可能性があるかもしれませんので、バイアスを強めず高値・安値の節目を意識してなるべく短い時間でのトレードを心がけます。
コメント