今週の振り返り
今週は米 夏季休暇シーズンを迎え薄商いの中、デルタ株感染拡大の懸念や米ISM非製造業景況指数の鈍化が重しとなり、安全資産としての米国債への買いから米長期金利は一時1.3を割る展開となりました。これに連動して株は一時調整色を強めたもののリバウンドし、米3指数は史上最高値を更新し週を終えました。
国内は東京に4度目の緊急事態宣言が発令。五輪の首都圏開催競技は無観客が決定するなど、変異株やワクチン接種の遅れなどを受けムードはさらに悪化。週の後半にかけては、8,000億超と予測されるETF分配金の支払いのための売却といった需給への警戒心も強まり一時28,000円を割りこむ局面もありました。
中国市場は全体的に弱い展開、中国当局が6月米国でIPO(新規株式公開)した配車アプリ大手DiDiに対し、アプリストアからのアプリの削除要求をするなど、相次ぐ中国当局からの企業に対するIT規制強化や行政処分等の措置が嫌気されました。

為替ドルは金利と相関の取れない動きを見せる場面もありました。ドル円は一時110円を割りこみましたが押し目を形成し再び110円に戻る展開、強いトレンドが見いだせない形となりました。特にリスク選好・金利感応度の高いオセアニア通貨は景気循環株の上昇とリンクせず上値重く推移しました。

商品は原油が乱高下しました。OPECプラスが物別れにより中止となったことで一時77ドルまで値を上げたものの、変異株や増産観測の憶測が先行し利食い売りで急落、しかしその後の在庫統計で想定以上の在庫縮小が明らかになり74ドルまで値を戻しました。
金は金利の低下によってトレンドが出ると思いきや方向感定まらず、今週も1800ドルを中心としたレンジの中に終始しました。

来週の見通し
来週の注目は下記の通りです。
◆7/14(水)パウエル議長発言(15(水)も) ・米地区連銀報告(ベージュブック)
変異株がよほど想定外の拡大・重症化を引き起こさない限りは、好決算シーズンを経てのジャクソンホールのテーパリング発表というシナリオに変化はないと思います。今週公表されたFOMCの議事要旨からは想定よりもハト派気味な姿勢が垣間見えたところもあり、株式に対しての支援的な動きは変わらないようです。特段のサプライズは無いと思いますが、ここのところの経済指標の一服感に対し、ハト・タカどちらに傾向したコメントをするのかは注視だと思います。
◆7/13(火) 米消費者物価指数(CPI)
FOMC後インフレ懸念は一時後退し米国株も堅調に推移しています。現在のインフレ高進は、半導体や樹脂などの物資や、失業保険の上乗せによる労働力の不足といったことが原因であり、ゆえに一過性のものであるという見立てが株価の下支えになっていると思います。このため物価指数については引き続き注意を払っていきます。先月のCPI値は5%と予想(4.7%)を上回る数値でしたが、今回の予想値はそれよりも若干小さい4.9%が予想されています。

仮に予想値レベルであったとしてもその背景が上記の通りであれば、市場への影響は限定的だと思います。しかし物資不足の問題は根強く長期化する可能性があると考えており、数値の背景に変化がないかは確認が必要と考えています。
◆7/16(金) 米小売売上高・米決算シーズン
今週のISM非製造業景況指数は60.1と前回値(64)・予想(63.5)いずれも大幅に下回る水準となりました。また週の新規失業保険申請件数も37.3万人と前回値(37.1万人)・予想(35万人)とこちらも予想よりも悪化の結果でした。経済指標がピークを打ち、これまでのようなアゲアゲから一段落ち着いた展開になってきていると思います。小売り売上高は3月をピークに前月比マイナスが続いており、今回も比較的弱めの予想値のため大きく上振れすれば株式には支援的となるでしょう。期待したいところです。また来週はJPM・バンカメ・モルガンスタンレーなど、主に金融セクターの決算が予定されています。先駆けてどの程度の好決算となるかチェックしていきたいと思います。
◆国内決算・安川電機
今週発表された安川電機の決算は損益・業績予想ともにコンセンサスを大きく上回る内容となりました。前年同月比と比較すると今期はベンチマークが昨年のコロナショック直後であることもあり、そもそも決算は概ね好調との見通しが強かったわけですが①緊急事態宣言・ワクチン接種の遅れ ②米中対立懸念の強まり ③サプライチェーンの目詰まりなど、製造業・サービス業いずれにも足かせとなる状況が続いています。金曜はNY市場の引けにかけて米主要3指数は最高値を更新したのに対し、日経先物は6月中旬からの高値トレンドにも届きませんでした。
決算が良く、割安感が際立ったとしても今の日本株を買う材料とはなりにくく軟調な動きは長期化すると思われます。月曜日の安川電機の値動きがその証左となるのではないでしょうか。
以上により来週のトレードですが、決算の期待値も高く 最高値を更新した株式は緩やかながらも堅調に推移すると考え上目線。長期金利やドル円も押し目を形成した感が強いため、ダウやS&P500といった景気敏感株ウエイトの高い指数を中心としていきたいと考えています。日本株は決算を横目に戻り売りも考えたいと思います。
為替は金利上昇局面に強い豪ドルといきたいところですが、中国が軟調な動きであることや下降トレンドが続いていることもあり、消極的に構えています。ユーロもECBがインフレ目標を引き上げたことで、緩和継続色が強まったためロングはしにくいです。あえて為替に手をつけるならドル円のロングを考えていきます。
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