今週は全体的に行って来いの動き、米国の債務不履行問題が一旦後退し投資家心理は上向いたものの、雇用統計が2か月連続で予想を下回る伸びだったことも上昇圧力に欠けた展開となりました。
一方新興国は堅調、特に米国長期金利の上昇に伴い、金融セクターの多いシンガポール市場や、地下資源の強い需要に支えられたオーストラリア市場など、アジアを中心に新興国が強含みました。一方金利上昇局面に弱い半導体やハイテクセクターは頭が重くマイナスに沈む展開となりました。

為替はドル高が進行しドルインデックスは下値を切り上げる展開、クロス円が強含みました。中でも商品価格の上昇影響は色濃く、原油価格と密接なカナダドル・ポンドルや資源高による豪ドルが特に堅調に推移しました。一方利上げを発表したキウイドルは一時売られるも緩やかな戻しとなり方向感見えずとなりました。

商品は産業需要の影響を受け全体的に大幅な伸びとなりました。原油はOPECプラス閣僚級会合で現在の生産計画維持を発表したことや、バイデン大統領が戦略備蓄放出に否定的な見解を示したことも追い風となり、一時80ドルにタッチする展開となりました。続伸が続いていた天然ガスはロシアの供給拡大観測から利益確定売りの展開、また金利を生まない金は投資妙味を欠き軟調に推移しました。

来週の注目指標は下記の通りです。
10/11 (月) 米・カナダ休場
10/13 (水) 米 消費者物価指数(CPI)
10/14 (木) 米 卸売物価指数、週の新規失業保険申請件数
10/15 (金) 米 小売売上高
今週発表された雇用統計は19.4万人と予想の半分にも満たない低い伸びとなりました。一方で時給は前年同月比4.6%と前回値を上回る状況となっており、労働力の需要と供給バランスが良くないことが見て取れます。
商品価格においても同様で、原油を始め供給がひっ迫している状況はいずれ広範の製品高(インフレ)となって消費者の生活を圧迫する恐れが出てきました。
労働・生産などの経済活性活動が停滞の中、物資が不足しモノの値段が上がれば景気は後退する可能性があり、そうなると金融緩和は逆効果にさえ働く可能性が出てくるかもしれません。これから金融相場を段階的に終え、景気の上昇を伴い業績相場に移行するシナリオにインフレが水を差すことも想定しなければなりません。
実際に期待インフレ率(BEI)は今週に入り緩やかに上昇し、金曜の段階で2.5%を記録しています。今年の最高値は2.54ですから来週はこの水準を超える展開があるのではないかと考えます。

今年の5月10日頃、インフレ懸念が高まりBEIは2.54と高値を付け 長期金利も1.7に近づきました。同時に株式市場も下落したことは記憶に新しいと思います。これが短期的な懸念で済んだのはパウエル議長が「一過性」と一蹴したことだけでなくサプライチェーンの問題がまだ業績に影響していなかったことにあると思います。原油価格もまだ65ドル程度でした。
しかし現在はサプライチェーン問題はさらに深刻化し、原油価格は80ドルに届き、ナイキを始めいくつかの企業から利益警告が出ています。パウエル議長も「苛立たしい」と感情を表に出しました。この状況の差は慎重に考える必要がありますし、それを占う意味で来週のCPIは一番注視すべき指標と考えています。

長期投資においては、上昇を取れないリスクよりも資産を減らさないリスクに手当てをするべきと考え、ポートフォリオを弱気に変更しました。
新しいポートフォリオは、株式30%、債券30%、商品インデックス10%、現金20%です。
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