今週は米上院議員決選投票における民主党の勝利によってトリプルブルーが実現し、大幅な財政政策により早期に景気回復するとの期待感も後押しし、長期金利高・ドル高・株高の3高となり、世界的にも株式は堅調に推移しました。
為替はドル高基調によりドル円が102.6円から104円まで上昇するなど特に円が弱含みました。
商品先物は景気回復期待とOPECプラスにおけるサウジの自発的な減産も相まって50ドル/バレルを超え伸長しました。ニッケル・銅も堅調に推移し、3年ぶりに3,500を超えた上海総合指数がその強さをさらに裏付ける様相となりました。
一方で金は長期金利が1%を明確に超え強い上昇を示していることやドル高によってその魅力を失い2.7%の下落となりました。
来週の注目ポイントは下記の通りです。
・1/13 米消費者物価指数
今週に入り期待(予想)インフレ率とされるBEI指数が2%を超えました。BEI指数とはブレイクイーブンインフレ率といい、10年国債利回りと物価連動国債の利回りの差を表し、市場が予想する期待インフレ率と位置付けられているようです。
ここで注目すべきは絶対値ではなく、コロナ禍以降上昇が続いているという状況です。今週発表予定のコアCPIは1.6%が予測されています。短期トレードや長期見通しには今のところ影響はないものの、どのような上昇軌跡を描いていくかのモニターは続けたいと思います。
・1/15 米小売売上高
クリスマスシーズンを含む12月の予想は前月比0%という弱気の見通しです。通常であれば結果と株式は連動して動くはずが、先週の雇用統計のように△14万人とマイナスの伸びであったにも関わらず意に反し株式は上昇しました。これは足元の景況が悪ければ悪いほど1/20に発足するバイデン新政権下ではさらなる経済対策が進むであろうという「いいとこ取り相場」になっているのではないかと考えます。長期金利が1%を超え上昇しているにも関わらず、ナスダックが史上最高値を更新したことが裏付けです。
このため1/20に予定される大統領就任式での演説まではさまざまな期待が交錯し金利高・ドル高・株高の動きが継続するのではないかと考えます。ただし
①大規模な財政出動は財政赤字の膨張に繋がり、いずれは増税となって業績を圧迫する
②長期金利上昇および独占禁止法適用検討でハイテク株に不利な状況が将来想定される
といった悪材料の消化がいつ意識されるかがわかりません。このため、短期では高値更新など強い流れに絞ったトレードに集中したいと思います。高値でも積極的に買っていけるように頑張ります。
・日経は1都3県に緊急事態宣言が発令されたものの、対象を絞った要請であることから、経済への影響は限定的との見方が強いと考えています。上海総合指数も強いことや米景気の回復を見込んで日本株もさらに上昇する可能性がありそうです。但し円高は企業業績を圧迫しますし、感染動向次第で利益確定売りが出る可能性も平行で意識しつつ、損切幅は適切に管理したいと思います。
為替は様子見かなと考えています。株高に連れて豪ドルやユーロドルが強含むかと思いましたが今週はちぐはぐな動きが目立ちました。押し目を狙うよりも、高値を抜けてくる場合に絞ったトレードを手堅くできればいいなと思います。
今週はポートフォリオの10%を占めていた金を売却し、個別株としてコマツ製作所を購入しました。このため、長期投資における日本株のウエイトが相対的に上がり、ポートフォリオはMSCIコクサイ30%、日本株30%、MSCIエマージング10%、日本国債30%というシンプルなポートフォリオとなっています。個別株は買いっぱなしにせず、ホームワークを怠らないようにしていきます。
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